野生動物

ツキノワグマはどのような農作物に被害を出すのか?|ツキノワグマ被害

 ツキノワグマ(Ursus thibetanus)は草食性を中心とした雑食性で春季には新芽や若葉,夏季にはアリやハチ類などの昆虫類,秋季にはブナ類やナラ類の堅果(どんぐり)・ヤマブドウやサルナシなどの果実を採食します。

 一方,人里や集落付近へ出没し,農林作物や家畜等への被害を発生させることもあります。農作物被害では,イネ・トウモロコシ・果樹類(カキ・クリ・リンゴ等)に多くの被害が発生します。また,針葉樹の皮を剥ぐ,クマ剥ぎによってスギなどの人工林にも被害が発生する場合があります。水産被害としては養魚場に侵入し,ニジマスなどの被害が発生しています。

農作物

穀物類

種名論文
イネ高田靖司. (1979).
福島県農林水産部農業振興課. (2016).
中下留美子 ほか. (2016).
ソバ福島県農林水産部農業振興課. (2016).
中下留美子 ほか. (2016).
トウモロコシ中下留美子 ほか. (2015).
福島県農林水産部農業振興課. (2016).

果菜類 〜果実を食べる野菜〜

種名論文
イチゴ澤田誠吾ほか. (2018).
ウリ稲葉一明. (2011).
スイカ稲葉一明. (2011).
福島県農林水産部農業振興課. (2016).
メロン稲葉一明. (2011).

葉菜類 〜葉や茎を食べる野菜〜

種名論文
ブロッコリー稲葉一明. (2011).

根菜類 〜根の部分を食べる野菜〜

種名属名
サツマイモ稲葉一明. (2011).
ニンジン稲葉一明. (2011).

果樹

種名属名
イチジク稲葉一明. (2011).
カキ高田靖司. (1979).
中下留美子 ほか. (2015).
澤田誠吾ほか. (2018).
ギンナン稲葉一明. (2011).
クルミ稲葉一明. (2011).
クリ高田靖司. (1979).
中下留美子 ほか. (2016).
ナシ稲葉一明. (2011).
澤田誠吾ほか. (2018).
ブドウ稲葉一明. (2011).
中下留美子 ほか. (2015).
モモ高田靖司. (1979).
岩城光ほか. (2010).
稲葉一明. (2011).
中下留美子 ほか. (2015).
澤田誠吾ほか. (2018).
リンゴ岩城光ほか. (2010).
稲葉一明. (2011).
中下留美子 ほか. (2016).
ヨウナシ(洋梨)岩城光ほか. (2010).

飼料作物

種名属名
トウモロコシ(飼料用)出口善隆. (2019).

林作物

造林木

種名属名
スギ斉藤正一. (1996).
稲葉一明. (2011).

畜産被害

種名属名
ニワトリ中下留美子 ほか. (2015).

その他

種名属名
コイ中下留美子 ほか. (2016).
ニジマス中下留美子 ほか. (2007).
養蜂被害中下ほか, 2015.
中下ほか, 2016.
養魚場のえさ中下留美子 ほか. (2016).

引用文献

  • 福島県農林水産部農業振興課. (2016). ツキノワグマの被害状況と対策について. 『https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/156096.pdf 閲覧日:2020年3月14日』.
  • 稲葉一明. (2011). 兵庫県のツキノワグマの出没状況と対策. 兵庫ワイルドライフモノグラム3, 1-17.
  • 岩城光, 島田直明 & 由井正敏. (2010). ニホンツキノワグマによる果樹被害地の環境要因の分析とハザードマップの作成. 野生生物保護12(2), 11-18.
  • 中下留美子, 後藤光章, 泉山茂之, 林秀剛 & 楊宗興. (2007). 窒素・炭素安定同位体によるツキノワグマ捕獲個体の養魚場ニジマス加害履歴の推定. 哺乳類科学47(1), 19-23.
  • 中下留美子, 岸元良輔, 瀧井暁子, 橋本操, 鈴木彌生子, 林秀剛 & 泉山茂之. (2015). 長野県塩尻市における過去 10 年間のツキノワグマ捕獲状況と捕獲個体の人里依存度. 信州大学農学部 AFC 報告13, 89-98.
  • 中下留美子, 橋本操, 岸元良輔, 瀧井暁子, 鈴木彌生子, 林秀剛 & 泉山茂之. (2016). 2014 年長野県大町市におけるツキノワグマの捕獲状況と捕獲個体の人里依存度.
  • 澤田誠吾・金森弘樹・小宮将大・金澤紀幸・静野誠子・梶誠吾・増田美咲・柿沼周樹. (2018). 島根県におけるツキノワグマの生息実態調査(Ⅳ)ー第Ⅲ期(2012=2016年度)の「特定鳥獣管理計画」のモニタリングー. 島根県中山間地域研究報告. 14, 25~37.
  • 斉藤正一. (1996). ツキノワグマによるスギ剥皮害発生林分の立地環境と防除に関する一考察.
  • 高田靖司. (1979). 長野県中央山地におけるニホンツキノワグマの食性. 哺乳動物学雑誌: The Journal of the Mammalogical Society of Japan8(1), 40-53.
  • 出口善隆. (2019). ツキノワグマ (Ursus thibetanus) による飼料作物被害—東北地方の事例—. 日本草地学会誌65(1), 44-50.