野鳥

ヤマガラの生態|特徴・繁殖期・営巣場所・一腹産卵数・巣立ち数 

 ヤマガラ(Sittiparus varius)はスズメ目シジュウカラ科ヤマガラ属に分類される鳥類で、日本では北海道から沖縄にかけて分布しています。低地から山地の常緑・落葉広葉樹林・針広混交林などに広く生息しています。

特徴

 ヤマガラ(Sittiparus varius)はスズメ目シジュウカラ科ヤマガラ属に分類される鳥類で、日本では北海道から沖縄にかけて分布しています。低地から山地の常緑・落葉広葉樹林・針広混交林などに広く生息しています。

繁殖生態

繁殖期

 ヤマガラは年に1〜2回繁殖し、繁殖期は3月下旬〜7月中旬であり、特に3月下旬〜4月中旬に産卵が集中します(矢作, 1996., 梁瀬ほか, 2019., 樋口, 1976)。

営巣場所・巣材

 野生下では樹洞などに営巣しますが、藤棚のパイプやホースなどの人工物や人間が設置した巣箱もよく利用します。巣材の土台にはコケ類を多く利用し、産座(上部)には動物の毛(イノシシ・シカ・カモシカ・ノウサギ)やゼンマイの綿毛・化学繊維・細く割いたスギの樹皮などを敷き詰めます(坂井&見浦,2021., 荒木田,1995)。

一腹産卵数・巣立ち数

 ヤマガラの一腹産卵数は前期繁殖で平均6.38卵(愛知県瀬戸市)、後期繁殖で中央値5.98卵(愛知県瀬戸市)と前期繁殖の方が多数産卵する傾向にあります(矢作, 1996., 荒木田, 1995)。

 また、巣立ち率は前期繁殖で60.6%、後期繁殖で44.9%と前期繁殖の方が巣立ち率が高い傾向にあります(荒木田, 1995)。巣立ち率が減少する要因としてはシマヘビ等の捕食があり、捕食者の少ない三宅島などの地域では巣立ち率が高くなる傾向があります(樋口, 1976., 畠山., 2018)。

抱卵・育雛日数

 ヤマガラの抱卵日数は13〜18日(平均14.8日)で前期繁殖・後期繁殖共に差はなく、各地の観察事例でも抱卵日数は14日前後と報告されています。また、育雛日数は14〜20日(平均16〜19日)であると報告されています(矢作, 1996., 梁瀬ほか, 2019., 樋口, 1976)。

引用文献

  • 荒木田善隆. (1995). ヤマガラの巣箱設置による繁殖個体数増加と高密度下における繁殖生態. 日鳥学誌, 44, 37-65.
  • 畠山義彦. (2018). シマヘビによるヤマガラのヒナの捕食行動. BINOS25, 43-45.
  • 梁瀬桐子, 水谷瑞希, 佐藤貴紀, 荒木田善隆, 松井理生, 高徳佳絵, & 才木道雄. (2019). ヤマガラとシジュウカラの繁殖特性についての検討. 中部森林研究= Chubu forestry research, (67), 43-46.
  • 樋口広芳. (1976). 伊豆半島南部のヤマガラと伊豆諸島三宅島のヤマガラの繁殖習性に関する比較研究. 鳥, 25(99), 11-20.
  • 坂井奈緒子, & 見浦沙耶子. (2021). シジュウカラとヤマガラの巣の比較. 富山市科学博物館研究報告= Bulletin of the Toyama Science Museum, (45), 15-23.
  • 矢作英三. (1996). 箱根地方におけるシジュウカラとヤマガラの繁殖生態の比較. Strix14, 11-23.

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