QGIS
QGISは無料で誰でも自由に使えるソフトウェアでインストールしたものの、「起動後、何したらいいの?」「このソフト、難しい…」となってしまい、心が折れてしまって二度と起動することなくなんて経験ありませんか? そこで今回は、QGISの始め方について1から順番に解説していきます。
基本操作
インポート
シェープファイル
シェープファイル(Shapefile)は米国ESRI社が策定したデータ相互交換用のデータフォーマットで、道路や建物などの位置情報や形状、属性情報を持つベクターデータ(ポイント・ライン・ポリゴン)を格納することができます。仕様が公開されているので、ArcGIS(ESRI)やその他多くのGISソフトウェアで幅広く利用されています。また、さまざまな自治体や機関からシェープファイル形式のデータが提供・販売されています。
GPX
GPX(GPS eXchange Format)はGPS機器やソフウェアなどのアプリケーション間でGPSデータをやりとりするためのデータフォーマットです。QGISへGPXデータを取り込む事で、GPSデータの表示や編集等を行う事が出来ます。本ページではQGISへGPXデータを取り込む手順について解説します。
位置情報付きのCSVファイル
オープンソースデータやGPS機器などからは、位置情報が記録されたCSVデータでエクスポートされる事があります。QGISにはCSVデータを読み込み、GISで表示することが出来ます。本ページでは、位置情報付きのCSVデータをQGIS3で読み込む方法について解説します。
エクスポート
地図
QGISで作成した地図は簡単な方法で画像(PNG)やPDFデータにエクスポートすることができます。画面に表示されている地図をエクスポートしたい場合には『インポートとエクスポート』機能を使用し、凡例等をつけてエクスポートしたい場合には『レイアウト』機能を使用します。
シンボルの変更
QGIS3へ取り込んだWaypointデータ(地点情報データ)は、シンボルの形や大きさ・色などを変更することができます。
- 取り込んだシンボルの大きさ・色を変更
座標参照系
変換方法
座標系とは、地球上にある地点の位置を表すための基準点や座標の単位などの事を呼びます。GISで使用する座標系には、地理座標系や投影座標系などがあります。地理座標系(緯度・経度)・投影座標系(X・Y)の変換方法について解説します。
空間演算ツール
- バッファ(Buffer)
- 切り抜き(Clip)
- 凸包(Convex Full)
- 差分(difference)
- 融合(dissolve)
- 交差(intersect)
- 対称差(symmetrical difference)
- 和集合(union)
- 選択物の隣接ポリゴンの融合(eliminate)
バッファ(Biffer)
- ポイント・ライン・ポリゴンから指定範囲のレイヤを発生させる機能
切り抜き(Clip)
- ポリゴンレイヤを用いて入力レイヤを切り抜く機能
- オーバーレイレイヤの部分を出力する
差分(difference)
- オーバーレイレイヤの地物の外側・部分的に重なっている地物を入力レイヤから抜き出す機能
- 部分的に重なっているレイヤは、オーバレイレイヤで切り抜かれた部分のみ表示される
融合(dissolve)
- 属性が同じ値をもつ地物同士を融合する機能
- 全てを一つにすることもできる
- 属性テーブルの列を指定して融合することもできる
交差(intersect)
- 入力レイヤとオーバーレイレイヤの交差部分を抜き出す機能
- 出力レイヤには入力・オーバーレイレイヤ双方の属性が付加される
ジオメトリツール
重心
- ポリゴンの重心点を作成する機能
頂点を抽出
- ラインやポリゴンレイヤの頂点を抽出してポイントレイヤを作成する機能
ポリゴンをラインに変換
- ポリゴンレイヤの外殻線をラインデータに変換する機能
解析ツール
- ポリゴン内の点の数
- 線の交差(intersect)
- 加重平均座標(重心の平均)
- 最近傍解析
- 線長の合計
- 属性の基本統計量
- 距離行列(distance matrix)
- ユニークな値のリスト
調査ツール
- グリッドを作成
- レイヤ範囲を抽出
- ランダム点群
- ポリゴン内部にランダム点群
- 線に沿ったランダム点群
- 場所による選択
- 入力レイヤの領域にランダム点群
- ポリゴン内部にランダム点群
- ランダム選択
- 地物のグループ別ランダム選択
- 規則的な点群
グリッドを作成
- 指定した範囲にグリッドを作成
- ポイント・ライン・ポリゴン(長方形・菱形・六角形)を選択できる
ランダム点群
- 指定した範囲・入力レイヤ範囲に指定した数の点をランダムにポイントレイヤを作成する機能
- 点間距離の最小値を指定することが可能
ポリゴン内部にランダム点群
- 入力レイヤの範囲内に指定した数のポイントレイヤを作成する機能
- 点間距離の最小値を指定することが可能
線に沿ったランダム点群
- 入力レイヤのライン上に指定した数の点をランダムに配置したレイヤを作成する機能
- 点間距離の最小値を指定することが可能
ランダム選択
※黄色:選択されたポリゴン
- 入力したポイント・ポリゴンレイヤからランダムで選択する機能
- 地物の数や地物の割合を指定して選択することが可能
オープンソースデータ
国土地理院 基盤地図
『基盤地図情報』とは、電子地図における位置の基準となる情報のことです。基盤地図情報と位置が同じ地理空間情報を各団体が整備することにより、それぞれの地理空間情報を正しくつなぎ合わせたり、重ね合わせたりすることができるようになります。今回の記事では基盤地図情報のダウンロード方法について解説します。
自然環境調査Web-GIS
自然環境調査Web-GISでは、生物多様性センター(環境省 自然環境局)が実施した植生・河川・湖沼・干潟・サンゴ礁などの基礎的な調査やモニタリングについて提供されています。調査項目により異なりますが、KMLファイルやShapeファイル・CSV・JPEG・PDFなどのデータ形式などで配布されています。
北海道アライグマ捕獲等情報
北海道アライグマ捕獲等情報マップは、北海道環境生活部 環境局自然環境課が関係機関から提供されたデータを基に、「5kmメッシュ(約5km四方)」GISデータ(環境省生物多様性センター)を使用し、作成されたデータです。北海道アライグマ捕獲等情報マップは、北海道オープンデータポータルサイトに掲載されています。
岐阜県特定外来生物生息マップ
岐阜県特定外来生物生息マップは岐阜県オープンデータカタログサイトで公開されているオープンデータです。岐阜県オープンデータカタログサイトでは、岐阜県や県内市町村が所管する公共電子情報の提供サービスが行われています。
公開されているデータ
- アライグマ
- アレチウリ
- ブルーギル
- カミツキガメ
- コクチバス
- ヌートリア
- オオキンケイギク
- オオクチバス
- セアカコケグモ
- その他
農地の区画情報(筆ポリゴン)について
農地の区画情報(筆ポリゴン)は、耕地面積調査等の対地標本実測調査の情報である筆ポリゴンを農業関連情報のオープンデータとして使用できるように、農林水産省のホームページで提供されています。
その他
最小境界ジオメトリツール
具体例
都道府県境レイヤを地球地図日本で作成する方法
地球地図日本(国土地理院技術資料D・1-No.576)は、『地球地図』の一部である日本の範囲をカバーしています。地球地図では市町村境のデータは提供されていますが、都道府県境のデータは提供されていません。そのため、QGISの『融合(dissolve)』を用いて、都道府県境レイヤの作成方法について解説します。